事後概要

令和元年11月23日
経済局政策課

11月22日(金)及び23日(土),愛知県名古屋市においてG20外務大臣会合が開催され,茂木敏充外務大臣が議長を務めたところ,同会合の概要は以下のとおりです。

1 出席国,機関

29か国・機関(G20メンバー(日本,アルゼンチン(前議長国),サウジアラビア(次期議長国),豪,ブラジル,加,中,仏,独,印,インドネシア,イタリア,メキシコ,韓,南ア,露,トルコ,英,米,EU)及び9招待国(チリ,エジプト,オランダ,ニュージーランド,セネガル,シンガポール,スペイン,タイ,ベトナム))

2 各セッションの概要

11月22日(金)の夕食会を皮切りに,翌23日(土)午前9時から午後2時半頃まで,3つのセッションにわたり,国際社会が直面する喫緊の課題について活発な議論が行われました。それぞれのセッションの概要は次のとおりです。

(1)セッション1:自由貿易の推進とグローバル・ガバナンス

茂木大臣から,多国間枠組への信頼の揺らぎや貿易上の緊張,地政学的リスクが高まる一方,最近のデジタル化の急速な進展を活用して経済成長につなげるにはどうすべきか,経済面でのグローバルな協力,政策協調,スタンダード作りにおける優先課題は何かといった問題意識を提起した上で,特に以下の点について,活発な議論が行われました。

第一に,現在の多角的貿易体制が直面する課題を指摘する声が多く聞かれ,一部の参加国からは,不公正な貿易慣行や一方的措置の是正への言及もありました。また,WTO改革を直ちに進めるべきとの切迫感が共有されました。この関連で,来年6月の第12回WTO閣僚会議も念頭に,「大阪トラック」を活用しつつ,デジタル経済に関する国際的なルール作りを,一層のスピード感をもって進めるよう,G20が指導力を発揮すべきとの点が確認されました。

第二に,国際経済面での協力に関する優先課題については,①デジタル化を踏まえた制度や課税に関する国際原則,②インフラ投資の質を高めるための国際スタンダード,③人間中心のAI原則,などを具体的な政策や制度にしていくことの重要性について,多くの参加者から発言がありました。

第三に,茂木大臣から,日米貿易協定及びデジタル貿易協定,TPP11協定,日EU・EPAといった,「自由貿易の旗手」としての我が国の取組を紹介し,また,現在,交渉が山場を迎えているRCEPについて,16か国で妥結することの意義を説明しました。これに対し,複数の国から,このような二国間及び地域の自由貿易協定が,多角的貿易体制を補完し,国際的に質の高いルール作りを進める側面についての評価が示されました。

(2)セッション2:SDGs

本セッションでは,地方におけるSDGsの推進,官民連携による資金動員,インフラ強化,連結性,教育・人的資本投資,ジェンダー・女性のエンパワーメント等の重要な分野について議論が行われました。

海洋プラスチックごみに関する「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」や「質の高いインフラ投資に関するG20原則」など,大阪サミットで合意したイニシアティブを評価する旨各国から発言がありました。また,国内的取組,国際協力両面においてSDGsを推進する上での障壁や,それらを克服する上でのG20各国におけるグッド・プラクティス,SDGsを推進するための二国間協力についても紹介がありました。

さらに,9月のSDGサミットでの議論を踏まえ,2030年までを「行動の10年」とするため,モニタリングを着実に行いながら,進捗に遅れが見られる分野における取組を強化し,行動を加速化すべきとの点について共通認識を得ることができました。

セッション2の最後に,地元の高校生の代表が,SDGsの目標の一つでもある「質の高い教育をみんなに」に関する提言書を茂木大臣に手渡し,各国外相に向けて教育格差の解消に向けた取組を呼びかけました。ここには,大村秀章愛知県知事及び河村たかし名古屋市長が同席しました。

(3)セッション3:アフリカの開発(ワーキング・ランチ)

日本が8月に主催した第7回アフリカ開発会議(TICAD7)を踏まえ,①経済,②開発,③平和・安全保障の3つの分野において,アフリカ自身の取組を国際社会として支援していく必要性を念頭に議論を行いました。

参加国から,TICAD7に対する高い評価と期待が表明されたほか,G20を含む国際社会が緊密に連携していくことの重要性が指摘されました。G20メンバーからは,各国とアフリカとのフォーラムなどの取組の紹介があり,アフリカへの強い関心が示されました。

また,「質の高いインフラ投資に関するG20原則」の着実な普及・定着のため,G20が主導的役割を果たす必要があるとの点を確認できたことも,重要な成果でした。

3 議長国の引き継ぎ

閉会に当たり,茂木大臣は,G20議長国が引き継ぐ慣例となっている木槌を,次期議長国であるサウジアラビアのファイサル外相に引き渡しました。12月1日から,サウジアラビアがG20議長国を務めることになります。

4 議長国記者会見

全てのセッションの終了後,茂木大臣は議長として記者会見を行い,会合における議論の概要を紹介しつつ,「今後は,大阪サミットの成果や今回の議論を行動に移していくための,実行力が問われることになる。次期議長国のサウジアラビアとともに,日本として引き続きG20でリーダーシップを発揮していきたい。」との決意を述べました。

(了)